農業機械学会誌
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近赤外分光法における測定波長範囲と光路長が生乳成分の測定精度に与える影響
夏賀 元康川村 周三伊藤 和彦
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2002 年 64 巻 5 号 p. 83-88

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抄録
近赤外分光法による乳成分のオンラインモニタリング技術開発のための基礎試験を行なった。生乳成分の測定を行なう際の測定波長範囲と光路長が測定精度に与える影響を調査するため, 近赤外分析装置としてNIRS6500を用い, 光路長 (試料セル厚さ) 1mm, 4mm, 10mm, 波長範囲400~1,098nm, 600~1,098nm, 1,100~2,498nmで生乳の主要成分である乳脂肪, 乳タンパク質, 乳糖のキャリブレーションを, 乳成分分析計 Milko Scan-S54Aを基準として作成した。その結果, 乳脂肪では光路長1mm, 波長範囲1,100~2,498nmでSEP=0.17%, 光路長10mm, 波長範囲400~1,098nmでSEP=0.38%, 乳タンパク質では光路長1mm, 波長範囲1,100~2,498nmでSEP=0.15%, 光路長10mm, 波長範囲400~1,098nmでSEP=0.14%, 乳糖では光路長1mm, 波長範囲1,100~2,498nmでSEP=0.10%, 波長範囲1,100~2,498nmでSEP=0.07%の測定精度がそれぞれ得られた。短波長域 (400~1,098nm) でも光路長を大きくすれば長波長域 (1,100~2,498nm) と同様な精度のキャリブレーションが作成できることが確認できた。
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