抄録
小規模パーボイルドライス製造装置を試作し, 低い蒸煮温度条件 (80, 90, 100℃) や試料重量条件 (75, 120, 200, 400g) が炊飯特性に及ぼす影響を測定した。パーボイルドライスの炊飯特性試験における加熱吸水率, 溶出固形物量そして炊飯時間を調査した。炊飯特性試験における加熱吸水率の値が2.5に対応する時間をパーボイルドライス炊飯時間と定めた。蒸煮時間とともに加熱吸水率や溶出固形物量が減少し, パーボイリングプロセスにおける熱負荷によって炊飯時間が長くなった。この炊飯時間と示差走査熱量測定計 (differential scanning calorirnetry: DSC) による熱測定値 (ピーク温度) との間に良好な相関性を見出した。20から24minの炊飯時間が90℃-30minと100℃-10minの蒸煮温度一時間で製造されたパーボイルドライスで得られた。パーボイルドライスの溶出固形物量が本研究における手法に基づく炊飯時斤で6-7%になることを見出した。