農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
Print ISSN : 0285-2543
ISSN-L : 0285-2543
高機能性米の調製加工技術の開発 (第1報)
玄米の浸漬条件がGABA成分の生成等に及ぼす影響
佐竹 利子福森 武劉 厚清河野 元信佐々木 泰弘
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 66 巻 1 号 p. 115-121

詳細
抄録

玄米の水浸漬条件が, 米粒内のGABA (γ-アミノ酪酸) と遊離必須アミノ酸の生成量, 並びにビタミンB1とミネラルMgの含有量に及ぼす影響を明らかにし, 高い機能性を有する主食用米の調製加工技術の開発を図る。本報では浸漬工程における処理条件を解明することに主眼を置き, 続く蒸熱, 加湿熱風, 通風冷却, 精米, 通風乾燥の一連の工程については同一条件で処理した。試験の結果, GABAと遊離必須アミノ酸の生成量は浸漬条件によって大きく異なり, ビタミンB1とミネラルMgについては, 粒内各部位の含有率に変化が生じた。試験条件の範囲では, 水温30℃で2時間浸漬後に水切りし, 吸水玄米が乾かないようにして雰囲気温度30℃で22時間放置した場合に, GABAと遊離必須アミノ酸が最も顕著に増加し, ビタミンB1とミネラルMgと同様に胚乳部に移行することを認めた。

著者関連情報
© 農業機械学会
前の記事 次の記事
feedback
Top