抄録
本研究の最終的な目的は, 直播テンサイ用自動間引き・除草機の開発である。本報では, ほ場内でのテンサイと雑草の識別に必要とされるそれぞれの識別正答率を導くため, コンピュータによる間引き・除草シミュレーションを行った。シミュレーションの条件を平均株間12cm, 目標株間24cmに設定した場合, 強制間引き距離 (基準株から空けるべき株間距離の最小値) は10cmが適当であった。強制間引き距離を10cmとし, 現在までに得られている識別正答率 (テンサイ87.2%, 雑草94.4%) を用いて, 間引き・除草シミュレーションを行った結果, テンサイ株損失は5%以下となった。また, 間引き・除草作業の精度は, テンサイ株の識別正答率よりも雑草の識別正答率に依存することが明らかとなった。