2005 年 67 巻 2 号 p. 53-60
非定常双子型プローブ法により小麦の有効熱伝導率を測定した。測定は, 小麦層中の空隙流体を空気と食用油 (コーン油) の2種類に変え, 数段階の水分および温度条件下でそれぞれ行った。これより試料の有効熱伝導率に及ぼす水分, 温度の影響を調べた。また, 直列モデルと並列モデルの複合モデルを利用して小麦粒子の熱伝導率を推算し, 水分, 温度双方の関数として表した。さらに, そのモデルにおいて並列部空隙の割合を示すパラメータを水分, 温度, 空隙率の関数として表し, 小麦の有効熱伝導率を精度良く推定することができる伝熱モデルを提案した。