抄録
てんさいの出芽率を85%以上に向上させるため, 播種機鎮圧輪の適正な鎮圧力や砕土の状態を現地農家試験と十勝農業試験場の低地土試験ほ場試験から求めた。黒ボク土では播種前の土塊径4.75mm以下の割合が60%以上, 播種後の深さ10~20cmのコーン指数が1.1MPa以上であれば, 出芽率85%を確保できた。低地土での試験結果から出芽率を目的変数とし, 深さ5~15cmの土層のコーン指数と土塊径4.75mm以下の割合を説明変数として重回帰分析を行った結果, 5%で有意な結果が得られた。これらの結果から, 土塊径4.75mm以下の割合が高く, 種子位置より深い層のコーン指数が高いことが出芽に良好な播種床といえる。