農業機械学会誌
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最小耕うんにおける溝切り器の圃場性能評価 (第1報)
イネ残さが条播性能に及ぼす影響
チャオラカム イサラー小池 正之瀧川 具弘余田 章長谷川 英夫バハラヨーディン バンチョー
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2007 年 69 巻 6 号 p. 65-74

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抄録

本研究は, 4種類の溝切り器を供試して, 栽培現場で解決策が待たれている, イネの残さ散布密度と土壌含水比が, 条播性能に及ぼす影響について実験的検討を行ったものである。供試土は砂壌土とし, イネ刈株跡地で播種性能試験を実施した。まず, 生成した播種溝壁面の土壌硬度と残さ散布密度との関係を解明するため, 供試器の性能評価指標の要因のひとつとして土壌硬度を採り上げることの妥当性を検討した。予備試験の結果, 両者は評価指標要因として利用できることを確認した。波形円板とV字形円板の通過前後の土壌貫入抵抗は, いずれの残さ散布密度においても増加する傾向を示し, 生育上の障害となる可能性が指摘できた。一方, 改良形のVRA形及びVRB形円板では, 土壌貫入抵抗の増加分は残さ散布密度に関係なく極めて小さく, 予測式による土壌貫入抵抗の模擬においてもそれぞれの硬度変化状況は定量的に裏付けられた。円板の土への切込み及び播種溝の成形性能に関わる円板の設計指針についても検討した。

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