抄録
回行式傾斜地果樹用多目的モノレールの姿勢安定性, 薬液散布時の付着性能, 薬液散布作業, 施肥作業, 収穫作業における作業能率を調査した。姿勢安定性として, 台車の進行方向に対しロール軸方向にモーメントを加え, 台車フレームの傾斜等を計測した結果, 833Nmで15°傾斜し, 980Nmで軌条支持金具が破損した。薬液散布時の付着度は, 樹列が3列で軌条に面していない樹列でも75%程度で, スプリンクラと比較し, 特に葉裏の付着で顕著な差が確認された。薬液散布作業, 施肥作業におけるほ場作業量は, それぞれ18~27a/h, 20~27a/hであり, 収穫時の等高線方向の運搬作業能率は2.2t/hで, 慣行作業と比較し, 能率が大幅に向上した。