先に提案した呼吸量を関数としたブロッコリーの総アスコルビン酸 (AA, 還元型および酸化型アスコルビン酸の総量) 含量変化予測モデルの広範な青果物における適用性を検証するため, キャベツ, カリフラワー, ホウレンソウおよびピーマンを対象に, 種々の温度環境 (5, 10, 20, 30℃) に貯蔵した際の, AA含量変化とCO
2排出速度との関係について検討した。AA含量の初期値に対する割合 (
AArel, %) を積算呼吸量 (
ARCO2) に対してプロットした結果, キャベツ, カリフラワーおよびホウレンソウの
AArelは
ARCO2の増加に伴い減少し, これらの関係は先に提案したモデル式 (
AArel=100exp (-β
ARCO2)) によってうまく表現できた。一方, ピーマンでは上記の関係は認められず, モデルの限界性が示された。また, 回帰係数 (パラメータβ) の同等性について統計解析したところ,
Brassica 種であるブロッコリー, キャベツ, カリフラワーの間では有意差がなかったが,
Spinacia 種であるホウレンソウのβ値は, 他の品目と有意に異なった。本研究により, 提案したモデルはブロッコリーのみならず他の品目にも適用できることが示され, これら品目の最適な流通設計を行うための有用なツールとなろう。
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