2016 年 78 巻 3 号 p. 248-256
自脱コンバインの手こぎ作業中に発生する巻き込まれ事故の重傷化を防止するため,手こぎ作業に対する農家の意向を把握した上で,開発する装置が満たすべき要件を検討し1号機を試作した。手こぎ作業について,7割以上の農家が今後も手こぎ作業を継続せざるを得ないとの意向を示した。フィードチェン駆動部にクラッチを内蔵,もしくは駆動制御をHSTとし,さらに手こぎ作業時にフィードチェン速度を低下させることで,巻き込まれた手がこぎ胴へ達する前にフィードチェンを停止させる可能性を見出した。また,緊急停止ボタンの高さについては,身長の低い女性高齢者でも届くよう,ボタン上端高さを1700mm以下とした。