農業食料工学会誌
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研究論文
  • ──NAS-CLS, MLRおよびPLSRによる検量モデルの比較──
    堀榮 美希, 白川 徹, 平良 英三
    2026 年88 巻3 号 p. 142-150
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル オープンアクセス

     糖標準液を用いた赤外分光法(IR)によるサトウキビ搾汁液中のスクロース定量について,NAS-CLS法,MLR法,PLSR法の3解析手法間で推定精度および運用面の比較を行った。1500~1200 cm−1の波数領域を用いた場合,R2 0.87~0.95,RMSEP 0.49~0.63 %といずれの手法も高い精度で推定が可能であった。一方,フルクトースを1.0 %以上含むサンプルでは推定誤差が大きく,劣化試料に対応した標準液組成の考慮が必要であった。3手法の推定精度は同等で,モデルに使用する波数を選択できるMLR法と,干渉成分に対応したモデル更新が比較的容易なNAS-CLS法は推定精度と運用性の両面で有用であると考えられた。

  • 岩田 陽斗, 飯田 訓久, 許 修瑜, 野波 和好, 石井 真嗣, 村主 勝彦
    2026 年88 巻3 号 p. 151-158
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究はGNSS使用不可環境での電動草刈機の自動作業を目的とし,中山間地域のほ場において3D-LiDARを用いた LiDAR-SLAMによる自動草刈作業を実証した。作成した3D点群地図とスキャン点群とのNDTマッチングによる自己位置推定に基づいてほ場での自動草刈実験を行った結果,車両は計画された全ルートを正確に追従することができた。作業領域内での目標経路に対する横断軌跡誤差はRMSE 7 cm,刈残し割合は5 %未満という結果が得られた。また,草を刈った後に作成した点群地図を使って,草が伸びた状態でもNDTマッチングによる自己位置推定で自動草刈が可能であった。

  • 滝元 弘樹, 井上 秀彦, 渡辺 将央, 酒井 憲司
    2026 年88 巻3 号 p. 159-168
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究は,これまで加速度による検証にとどまっていたトラクタの共振ジャンプ現象を,路面からの反力による離脱と自由落下による再衝突という観察可能な現象に近い変位による検証を目的として行った。これまでに開発した実験用走行路及び無線遠隔操作トラクタを供試して共振ジャンプ現象の再現実験を実施した。その結果,車輪が路面からの離脱と再衝突を繰り返している様子が確認でき,加速度計測では検証できない乗用型トラクタの共振ジャンプ現象の存在を変位データから実証できた。

  • ──ヘッジトリマの位置・姿勢が下葉の除去性能に与える影響──
    樫野 雅和, 黒崎 秀仁, 深津 時広
    2026 年88 巻3 号 p. 169-177
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル オープンアクセス

     トマトの大規模施設園芸における労働負担軽減を目的として,立木用ヘッジトリマを用いた一括処理型の下葉処理ロボットを開発し,ヘッジトリマと下葉の位置・姿勢が下葉の切断性能に与える影響を検証した。主茎に沿ってヘッジトリマを移動させる切断性能評価試験では,下葉1枚を対象とした場合,①ヘッジトリマと下葉の交差角が垂直に近いほど,②ヘッジトリマの位置および刃の傾きにより決定される刃先の位置が主茎に近いほど,切断面積率が高くなる傾向を示した。また,下葉2枚の連続切断においても1枚の場合と同等の切断性能が得られ,複数枚の下葉を効率よく除去できることを確認した。

技術論文
  • 川原田 直也
    2026 年88 巻3 号 p. 178-185
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル オープンアクセス

     本暗きょの施工が可能なトラクタ作業機としての排水管埋設装置(本機)を用い,オペレータと補助者の2名により,長辺100 m,短辺30 mのほ場に10 m間隔で本暗きょを施工するための作業時間を調査し,年間10 haでの利用を想定して施工経費を試算した。その結果,本暗きょ施工に関わるほ場進入から退出までの10 a当たりの作業時間および施工経費(資材経費+労働経費+減価償却費)は,暗きょ管の埋設に係る設定作業速度を0.20 m/sとした際には18.0分,39,955円,0.40 m/sでは14.4分,39,515円,0.60 m/sでは13.0分,39,352円となった。

  • 下田 諒人, 椎木 友朗, 吉冨 均, 小川 雄一, 白神 慧一郎, 近藤 直
    2026 年88 巻3 号 p. 186-193
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/28
    ジャーナル オープンアクセス

     本論文では,水中ヘルムホルツ共鳴を利用して活魚を自動選別する手法を提案する。活魚を連続的に計測するために,ホース内の水の流れを利用して魚を共鳴器まで移送した。そして,軟質PVC製のホースを共鳴器内に通すことでホース内の魚の体積を計測できることを示した。さらに,測定速度を向上させるために,共鳴周波数を計測する代わりに,魚がいないときの共鳴周波数の純音を出力してその振幅値を計測した。その結果,魚の体積が増加するとともに振幅値が低下することを示した。また,選別システムの試作機を製作し,金魚を用いて大と小に選別したときの成功率は87.5 %であった。

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