各種治療法に抵抗を示す難治性MG患者に対して、長期にわたり間歇的に血漿交換療法を施行した。血漿交換には、Hemonetics cell seperator Model 30を用いた。開始当初は、Azathioprineによる免疫抑制療法を試みたが、副作用が強く継続できなかった。また、steroid療法は血漿交較施行前に試みられていたが効果を認めておらず、併用しなかった。1日4~5回の血漿交換を3日間連続施行し、計約6,000mlの交換を行ない、これを1クールとした。血漿交換によって、血清中の抗AchR抗体価は著明に減少したが、1クール終了後約2週間でほぼ施行前値に戻っていた。しかし、症状はこの頃から改善をみており、抗AchR抗体価と臨床症状の間には、いわゆる解離現象を認めた。約2ケ月に1クールを計17回施行し、3年後の昭和57年7月に退院可能となった。