1983 年 12 巻 1 号 p. 97-100
慢性関節リウマチ(RA)患者に対して血漿交換が施行され、その有効性が注目されている。しかし, 血漿成分全体を交換する場合, 血漿製剤の供給, 生体有用成分の損失, 肝炎等の副作用の問題が生じてくる。そこで, RAの病態に悪影響があると思われる免疫複合体, 免疫グロブリン, RAコンパウンド等を除去し, アルブミン等生体有用成分を再濾過して, 新鮮凍結血漿(FFP)や血漿製剤の補充を出来るだけ少なくする目的のDouble-filtration plasma exehangeをRA患者4例に施行した。その結果, RA因子, 免疫グロブリン, 血沈の低下, 朝のこわばり, 関節痛, 握力, 歩行時間短縮の改善を認め, 消炎鎮痛剤等の薬剤使用を減少させることが出来た。しかし, Single membraneによる2lの血漿交換と比較すると, 臨床的効果においてまだ不充分と考えられ, 2nd separator及び方法の改良, 分離血漿の処理量の増加などの改善が必要と思われた。