1983 年 12 巻 1 号 p. 112-115
吸着免疫複合体および抗体刺激によるマクロファージの活性化には、抗体の架橋化と至適コンポメーションの獲得およびその維持が極めて重要であり、かつそれらは免疫吸着材表面の親一疎水性、表面荷電密度に大きく左右される事が分かった。また免疫吸着材の性状が免疫グロブリンの抗原認識機能とエフェクター機能に対して異なった影響を与える事が示された。抗体の生物活性発現の分子機序の解明、さらに合成高分子材料を基質とした免疫工学的手法による免疫疾患の治療システムの開発、これら両分野において上記知見は役立つものと思われる。