人工臓器
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PMMA血漿成分分離膜の基礎的研究
苑田 毅田中 義隆丹沢 宏野木 立男木村 睦西海 四郎菊地 哲也
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1983 年 12 巻 1 号 p. 121-124

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抄録

Double filtration plasmapheresis用に新たに開発した2種のPMMA血漿成分分離膜(Second filter)を用い. 低温度(4~15℃)および室温域(25~37℃)で3種の方式(Oneway, Recycle. Partial discard)の比較を行なった。総蛋白質透過率85%付近の膜を使う低温度での濾過にくらべ, 総蛋白質透過率60%付近の膜を使う室温域での濾過の場合が血漿成分蛋白質の分離が良く, Sieving Coefficientの経時変化も小さい。血漿の処理量はOne way方式にくらべ, 濃度分極を押えるため膜表面の流速を高めたRecycle方式が多くなる。Partial discard方式は目詰りが最も遅く大量の血漿を処理できるが, 蛋白回収率が低下し多量の補液を必要とする。
血漿中の高分子量蛋白質を除去することを目的とする場合. 室温(25~37℃)でのRecycle方式によるDouble filtrationが好ましいと考えられる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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