人工臓器
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ペースメーカー電極寿命に影響するリード先端電極表面積の臨床的検討
進藤 剛毅水野 明中山 至誠松永 仁幕内 晴朗小塚 裕柳生 邦良和気 一夫浅野 献一
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1983 年 12 巻 1 号 p. 62-65

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抄録

植込時良好なペーシングが得られた179例で, ペースメーカー電極寿命に影響する器械側の因子の1つとしてリード先端電極表面積の影響を検討した。179例をリード電極表面積によりI群(80mm2以上)13例。II群(80~15mm2)57例, III群(15mm2以下)109例に分けた。3群のactuarial survival curveよリリード寿命を比較した。I群は予想通り寿命が最も短かく, 次いでIII群, II群と寿命が長くなる結果となり, 表面積の小さいIII群はII群より返って短かい寿命となった。このII, III群間のリード寿命逆転に関与する因子として, 器械側では, 双極型, cylindrical metal tipが, さらにリード植込時年令60才以上, 基礎疾患として高血圧症, 先天性心疾患, 心室内R波高5mV以上, エネルギー比81:1以下など多ぐの生体側因子が関与していることを明らかにした。リード寿命は単に電極表面積の減少に基づく急性期刺激閾値の低下のみでは決まらず, 長期的には生体因子が多く関与することが解った。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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