人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
頻拍に対する高周波誘導型ペースメーカー治療の遠隔成績
松永 康弘三崎 拓郎大池 恵広向井 恵一川筋 道雄三井 毅桜井 潤司渡辺 洋宇岩 喬
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 12 巻 1 号 p. 66-69

詳細
抄録

1969年より頻拍発作の治療に高周波誘導型ペースメーカー(使用機種:Atricon)を22症例に使用した。本論文でこの遠隔成績について検討した。対象は上室性頻拍10例, WPW症候群5例, WPW症候群+心房粗動2例, WPW症候群+洞不全症候群1例, 徐脈頻脈症候群3例, 心室性頻拍1例で年令は4才から72才であった。(1) 15例で最長12年6か月(平均7年5か月)経過しているが何ら合併症なく安全かつ確実に頻拍発作の中断を行い得た。(2) Atricon非使用は4例であった。いずれも心疾患合併例で, 心疾患に対する根治術と同時にAtriconを植め込んだが術後頻拍発作が消失しAtriconを使用していない。(3) 合併症は初期の3例にペーシング不全を認めたのみで, 他に合併症はなかった。(4) 死亡は3例あったが, Atriconに起因する死亡はなかった。以上頻拍発作に対する高周波誘導型ペースメーカー治療は長期遠隔成績において十分満足できる結果と思われた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top