1983 年 12 巻 1 号 p. 7-10
市販のコンピュータライズド患者監視システムを使って, 補助心臓あるいは補助循環の効果の程度を把握できる多指標パターン表現(レーダチャート)表示システムを開発した。指標として, 平均左房圧TTI, 平均収縮期圧, 全身灌流量, 末梢抵抗, 左心房一回仕事量の6種を採用した。補助循環を開始する直前のデータ(コントロール)を100%として, 補助効果の陽性方向を正六角形の外側になるように, 6種の指標を表示した。各種補助手段の血行動態的接合点, 特に, 補助手段の移行に関する問題に検討を加える際, 移行すべき補助手段の選択や移行すべき時期が決定される根拠となる, 患者の過去から現在までの血行動態の蓄積や各種指標による補助効果の把握が可能になった。
本システムに過去の補助循環例のデータを入力して, その機能が正しく動作することを確認した。補助形式の移行や予後の予想にも有用なモニタとなり得ることが示唆された。