人工臓器
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Hybrid型人工膵臓のCulture chamberの検討
町山 悦子大河原 久子壁井 信之岡野 光夫片岡 一則山田 明夫桜井 靖久平田 幸正近藤 保
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1983 年 12 巻 2 号 p. 564-567

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抄録
筆者らの単層に培養したラット膵ラ氏島細胞を用いるHybrid型人工膵臓は, 生理的な2相性のインスリン分泌特性が得られ, 長期にその機能を維持できる。(昨年度報告)この培養細胞を封入する1. culture chamberのデザインと, 2. ラ氏島細胞の保護膜について, 物質拡散性と抗血栓性の面から検討を加えた。膜は, 従来適当とされたザルトリウス再生セルロース膜に比べ, Nucleporeの方がはるかにインスリン透過性が良く, perifusion実験でもインスリン分泌特性は維持されることがわかった。chamberについては, 従来のローズ式ではよどみ域が多い欠点があるため, U字型流路のchamberを新たに作成し, 抗血栓性材料(セグメント化ポリウレタン)をコーティングし, 曲率半径5~20mmの4種類について, 1. 動物実験による血栓形成時間, 2. 油膜法による流れの可視化実験を行った。その結果, 曲率半径10mmが最も良好であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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