人工臓器
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血液透析中の血小板および白血球の挙動について
泉 暢英海本 浩一加藤 禎一田中 寛吉本 忍岸本 武利前川 正信
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1983 年 12 巻 2 号 p. 653-656

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抄録
Cuprophan, PMMA, Cellulose Acetateを膜素材とする3種類のDialyzerを用い、血液透析中の白血球数および血小板数の経時的な変化を観察した。白血球数と血小板数は経時的に変化したが、Dialyzerの膜による一定の傾向はみられなかった。次にCuprophan, PMMAについて白血球数、血小板数に加えて血漿β-Thromboglobulinの変化を血流量(QB)を考慮して検討した。血液透析前と開始30分後とを比較すると、QBが100, 200ml/minのいずれにかかわらず、血小板数は減少しβ-Thromboglobulinは増加したが、血小板数の減少率はCuprophan膜において、また血漿β-Thromboglobulinの増加率はPMMA膜においてQBが200ml/minの時に有意に抑制された。またQBが100ml/minの時、血漿β-Thromboglobulinの増加率はPMMAがCuprophanより有意に高かった。なお白血球数の減少率は、QBの影響を受けなかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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