人工臓器
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新しいアンモニア吸着剤の開発
屋ケ田 和彦渡辺 俊文川口 博昌大坪 修高井 信治高橋 浩
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1983 年 12 巻 2 号 p. 658-661

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抄録
吸着剤を用いて, 尿毒症物質を除去するとき, 最も問題となる物質は尿素である。尿素は, 非常に安定でそのままの形では吸着されない。そこで, ウレアーゼでアンモニアに分解後, 何らかのアンモニア吸着剤で吸着除去する方法が最も広く用いられている。
我々は, Ch~C8化学における解媒として用いられている物質を改良して, 新しいアンモニア吸着剤を開発し, 透析液の再生および経口吸着剤に応用した。
新開発のアンモニア吸着剤は, 吸着速度に優れ, 装着型人工腎臓の軽量化が期待できることがわかった。また, 動物実験による経腸投与実験において, 腎不全患者に対する経口吸着剤としての効果も認められ, 今後, ウレアーゼを固定化し, マイクロカブセル化することで, さらに効果を上げることが可能であると思われる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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