人工臓器
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がんハイパーサーミア療法のための加温装置の評価
柄川 順
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1983 年 12 巻 2 号 p. 705-708

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抄録
がんに対するハイパーサーミア療法(温熱療法)は、生物学的基礎研究によれば、単独、又は放射線、化学療法との併用で、かなりの効果が期待できる。その臨床成果は一つには、局所的、区域的な加温装置の開発の成否と関連がある。2450MHzマイクロ波では深部への到達力が弱いが、比較的安全に42℃以上の加温域をつくる, ことができる。しかし深さ2cm止りである。アプリケータを工夫することによつて表在性しゆようや、子宮けい部などのくう内加温をおこなうことができた。温度測定には銅、コンスタンタン熱電対を用いた。超音波加温装置は、実験用として1MHz 5個の平面超音波振動子をビーム交差型としパワーを集束させた。X, Y, Z軸方向にスキヤニングさせ、直径1cmの円の部分の加温をおこなつた。この成果をもとにして現在、人がんへ応用可能な装置を試作中である。RF磁場加温装置は、より広い範囲の加温用として試作された。目下、臨床利用へ向つて検討中である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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