抄録
補助循環法として心室流量補助において、ローラーポンプ使用による定常流流量補助と、補助心臓使用による拍動流補助を必要に応じて相互移行するシステムを開発し、仔牛を用いた実験にてその移行手技と有用性について確認したので報告する。1)定常流流量補助回路と補助心臓に対し共通のカニユーレを作製し、更にテフロン製シフトコネクターを開発することにより、補助心臓と定常流回路との相互移行が容易に実施できた。2)不全心モデルを使用して、比較的補助効果が低く軽症の心不全に対して効果のある定常流補助より、補助効果が大きく長期間にわ左つて補助可能な補助心臓による補助へ、心不全の程度に応じて移行することにより大きな効果をあげ得ることを血行動態的に示した。3)心機能の回復に従い、補助心臓による補助より再度定常流補助による低流量補助を介することにより、無理なく確実に離脱できた。