人工臓器
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棒状活性炭の開発
渡辺 俊文大坪 修川口 博昌秋山 暢夫山辺 潔黒松 勇蔵高井 信治
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1984 年 13 巻 2 号 p. 656-659

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抄録

近年, 活性炭はその開発技術により吸着能はもとより材料, コーティング処理の面でも発展を遂げ広く臨床応用されるに至っている。しかし, 現在使用されている活性炭は有効接触面積, 血液適合性の点から粒ないし球状を呈し, 使用に際して血液ポンプ等の駆動装置が必要不可欠である。今回, 我々は活性炭の形状に着目, 人工腎臓の小型化ならびに血液ポンプを必要としないDHPを目的に棒状活性炭を開発, その吸着性能ならびに使用について検討した結果, クレアチニン, 尿酸に対する吸着性能は従来の活性炭とほぼ同等であり, また血液ポンプを使用することなく3時間のDHPが安定かつ効果的に施行することが出来たが, 従来から問題とされているDHPによる血液有形成分の減少は緩和されず, 今後さらにコーディング処理等の検討が必要であると思われた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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