抄録
血液透析患者の白血球機能をchemilum inescence (CL)を用いて検討した。対象は当院で定期血液透析療法を受けている安定期の透析患者20名で, 健常人を対照群とした。透析患者については透析開始前, 終了時の動脈側, 開始15分, 2時間後の動静脈側より採血し, 末梢白血球数, 血液像, CLによる白血球活性酸素産生能をザイモザン刺激の後, バイオルマートにより測定した。
透析患者のCL値は健康人に比べ高値を示した。キュプロファン, ケン化セルロース膜透析器ではhemodialysis leukopeniaと一致するCLの著明な低下がみられたが, PMMA, セルロース・アセテート膜では軽微で補体活性化の差違がこの一因と思われた。透析2時間目において静脈側でCLの低下がみられ, 透析膜との接触のみによってもCLが変化する可能性が示唆された。CL変化に対し抗凝固剤の影響は認められなかった。