血液炉過(HF)は血液透析(HD)に比し、血清浸透圧低下は緩徐で末梢血管抵抗が増加し透析固難症に対し有用な治療法とされている。HFとHDの差異を解明すべく、両治療法において小分子量クリアランス、透析液、置換液〔Na+ 138〕、および除水量を同一にし、HFと低効率透析(L・HD)さらに常温透析(37℃)と低温透析(34℃)におけるカテコールアミン動態について検討した。HF、L・HDともに晶質浸透圧の低下は緩徐であり、L・HDにおいてNoradrenaline (NA)は有意に低下し、一方HFでは低下を認めず、また常温透析にてNAは有意に低下し、他方低温度透析では低下を認めなかった。NAのクリアランスも同一のところから、HFにおいて分泌増加、代謝遅延すると考えられる。また低温透析にてNAの低下を認めない事実より、HFおよび低温透析において交感神経系刺激による分泌増加を示唆すると考える。