人工臓器
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医用高分子の薬剤学的応用:薬物の局所投与材料としてのエチレンー酢酸ビニルおよびエチレンービニルアルコール共重合体
宮崎 正三竹内 繁美坂本 美恵子高田 昌彦
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1984 年 13 巻 3 号 p. 1159-1162

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抄録

疎水性高分子エチレンー酢酸ビニル(EVAc)においては、Ftorafurの膜透過性が5-FUより大きくこれは疎水性のテトラヒドロフリル基の導入で脂溶性が高くなったことで説明された。一方、親水性高分子エチレンービニルアルコール(EVA1)では5-FUの膜透過性がFtorafurより大きいことからEVA1は特に親水性薬物と親和性の大きいことが予想された。マトリックスからの5-FUの放出速度はビニルモノマー濃度の増加により顕著に増加した。さらに5-FU含有EVAcマトリックスの埋込みにより、担がんマウスの延命効果が認められた。これらの結果、EVAGおよびEVA1共重合体はおのおの疎水性および親水性薬物の埋込み用あるいは外用等の局所投与放出制御材料として有用なことが示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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