人工臓器
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新しいProtein-Pemeating Hemodialysis用EVAL膜の評価
広畑 衛斉藤 明内藤 秀宗
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1985 年 14 巻 1 号 p. 178-181

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抄録
従来のダイアライザーやフィルターを用いた血液透析または血液濾過では改善し得なかった透析合併症の貧血・骨痛・イライラ感・掻痒感に対して、相当量の蛋白透過があるCut off pointの高いEVAL-C膜を用いたProtein Pemeating Hemodialysis(PPHD)が有効であると報告してきた。今回従来のC膜よりUFR, Cut off pointの低いEVAL-CD膜が試作されたので、蛋白領域の透過性および臨床効果について検討を加えた。CD膜の蛋白領域の透過性はC膜と標準のEVAL膜の中間より若干C膜寄りであった。CD膜の臨床効果はセルロース使用期に比較して掻痒感・イライラ感・骨痛に改善がC膜と同様に進められたが、やや緩徐であった。血液データの比較では、赤血球数, Hct, Hb, 血清総コレステロール値は有意に増加し、血漿蛋白, albuminは有意の減少を示した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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