人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
Protein-permeable hemofilterの性能評価
―特にセルロース系膜について―
高木 豊已鄭 大基小川 洋史斎藤 明
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 14 巻 1 号 p. 174-177

詳細
抄録
現在のprotein-pemeable hemofilterはC-2(EVAL膜)などの合成膜が主である。しかし, 合成膜はpore sizeが不均一であるため低分子蛋白以外に相当量の高分子蛋白までの濾過を認めている。今回, 新たに開発されたセルロース系ヘモフィルターの小分子量物質から高分子蛋白物質の除去性能を比較検討した。ヘモフィルターはテルモ: TAF120S(再生セルロース膜), Cordis Dow:Duo-Flux HP(セルロース・アセテート膜)である。HDF法, ECUM法により得た濾液を二次元電気泳動, SDS-電気泳動により分析した。アルブミン漏出量はTAF120S:3378mg, Duo-Flux HP1395mg, C-2:9957mg, TK-401: 6536mgを示した。セルロース系膜は合成膜と比較してアルブミン漏出量がTAF120Sで1/2-1/3, Duo-nux HPで1/5-1/7と減少していた。一方, retiaol-binding pmtein(RBP)の漏出量はアルブミンのそれに比例しては減少せず, RBP/アルブミン出は, TAF120S:2.3%, Duo Flux HP:6.4%, C-2:1.7%, TK-401:0.9%であり, セルロース系膜ヘモフィルターは合成高分子膜ヘモフィルターより物質阻止曲線が急傾斜で適した素材と考えられる。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top