抄録
現在のprotein-pemeable hemofilterはC-2(EVAL膜)などの合成膜が主である。しかし, 合成膜はpore sizeが不均一であるため低分子蛋白以外に相当量の高分子蛋白までの濾過を認めている。今回, 新たに開発されたセルロース系ヘモフィルターの小分子量物質から高分子蛋白物質の除去性能を比較検討した。ヘモフィルターはテルモ: TAF120S(再生セルロース膜), Cordis Dow:Duo-Flux HP(セルロース・アセテート膜)である。HDF法, ECUM法により得た濾液を二次元電気泳動, SDS-電気泳動により分析した。アルブミン漏出量はTAF120S:3378mg, Duo-Flux HP1395mg, C-2:9957mg, TK-401: 6536mgを示した。セルロース系膜は合成膜と比較してアルブミン漏出量がTAF120Sで1/2-1/3, Duo-nux HPで1/5-1/7と減少していた。一方, retiaol-binding pmtein(RBP)の漏出量はアルブミンのそれに比例しては減少せず, RBP/アルブミン出は, TAF120S:2.3%, Duo Flux HP:6.4%, C-2:1.7%, TK-401:0.9%であり, セルロース系膜ヘモフィルターは合成高分子膜ヘモフィルターより物質阻止曲線が急傾斜で適した素材と考えられる。