人工臓器
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人工心臓実験動物の代謝面からの評価
―とくに血中甲状腺ホルモン動態からの解析―
滝戸 直人藤正 巌井街 宏中島 正治満渕 邦彦木村 喜代二塚越 茂渥美 和彦宮本 晃
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1985 年 14 巻 2 号 p. 650-654

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抄録
自然心臓ポンプ機能のみの代行を目的として設計された現行の完全人工心臓動物実験では, 1年近くの長期生存が得られているが, その生存状態は必ずしも生理的とは言い難い。拍動する自然心臓を持つ完全人工心臓群と, 自然心臓を切除あるいは細動状態にした完全人工心臓群を比較したところ, 面者では, 術後の甲状腺ホルモンの値に有意な差があることが認められた。さらに左房に対する電気刺激実施群との比較により, 自然心臓のEGGが交感神経系を介して甲状腺機能を賦活している可能性があることが推定された。さらに末梢循環不全が疑われる実験例でT3/T4の減少およびrT3/T4の増加がみられ, 末梢循環状態の指標としてT3/T4あるいはrT3/T4が有用であろうとの推測が得られた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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