完全置換型人工心臓で344日間生存したヤギに用いたカルディオサンを被覆したポンプやカニューレのカルシウム沈着, 血栓形成および疲労強度の分析を行った。ポンプおよびカニューレからはいわゆるカルシウム沈着が当施設としては初めて検出された。ポンプ内のカルシウム沈着は最も強くストレスを受ける部分に集中的に見られ, その程度は右心より左心の方が強かった。カルシウム沈着物の表面には血栓が形成されていた。カニュレ内には血栓形成はなく, 心房カフや大動脈のグラフトにも血栓やパヌスは全く見られなかったが, カルシウム沈着は程度の差こそあれほぼ全域に認められた。使用後のポンプの引張試験結果ではポンプの被労はほとんど見られなかった。