人工臓器
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生理活性物質を徐放する医用弾性体の開発
松田 武久岩田 博夫豊崎 俊幸野田 祐幸中谷 武嗣福田 幸人安達 盛次高野 久輝阿久津 哲造
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1985 年 14 巻 2 号 p. 679-682

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抄録
高度の抗血栓性とその信頼性を保証する医用弾性体が, 親水性のセグメント化ポリウレタンと強力な抗トロンビン剤MD-805を組み合せることによって開発された。ここで開発された徐放システムの特徴は, (1)MD-805が極性溶媒に易溶であることから, 任意の割合でポリマーの中に均一に分散させた膜を形成すること, (2)徐放速度及びその期間は, セグメント化ポリウレタンの親水性度, MD-805のloading量, 及びコーティングの膜厚によって, 容易に制御出来ること, (3)強力な抗血栓性は, 比較的良好な抗血栓性を有しているセグメント化ポリウレタンの効果に加えて, 血液/材料界面におけるMD-805の局所的濃度の増加によって, AT-IIIを必要とせずに凝固系及び血小板系を阻害することである。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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