抄録
抗血栓性材料開発の目的で合成高分子材料素材としてのポリウレタン4種類とセグメント化ポリウレタン8種類の計12種類について標準ヒト血漿を用いて, 素材表面と血漿中の凝固因子との相互作用を調べた。凝固因子との相互作用は素材表面と一定条件で接触した血漿中の凝固因子活性の変化を素材表面との接触の有無で検討した。ポリウレタンでは凝固因子IX, VIII, Xの活性化め変化をもたらし, 他の凝固因子への影響は極めて軽微であった。一方, セグメント化ポリウレタンではその変化は多彩で, 一部のものではポリゥレタンと同様の変化をうけるが, ソフトセグメント, ハードセグメントを変えることによって凝固因子への影響が大きく変化することが判明したが, その規則性については本研究では明きらかにすることができなかった。