人工臓器
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徐放性テストステロン義睾丸のin vivo性能評価
吉田 勝浅野 雅春嘉悦 勲今井 強一真下 透湯浅 久子山中 英寿鈴木 慶二
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1985 年 14 巻 2 号 p. 809-812

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抄録
テストステロンを含む卵状の生体非分解ポリマー義睾丸を親水性ビニルモノマーの低温放射線重合によって調製した。得られた義睾丸は1個当り約2.05g(40wt%テストステロン含有)の重さをもつ。この義睾丸からのテストステロンの媒液中(水が主成分)における放出速度はビニルモノマーに対するテストステロンの溶解性(生成ポリマー中での分散状態)および得られたポリマー担体の親水性に依存することが分った。すなわち, テストステロンの溶解性とポリマーの親水性の増加とともに, 義睾丸からのテストステロンの放出は著明に増大した。本研究では, HEMA/HPMA(70/30)コポリマーより成る義睾丸を去勢した家兎の陰のう部位に埋入留置した。この義睾丸からのテストステロンのみかけのin vivoにおける平均放出速度は, 1.2mg/dayであった。一方, 血清中のテストステロン濃度は, 初期段階でゆるやかに減少し, そののち一定値を維持する傾向がみられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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