人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
アルミナセラミックス人工骨による板状胸骨の置換
加藤 弘文中村 達雄住友 伸一田村 康一渡部 智清水 慶彦糸井 和美寺松 孝
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 14 巻 2 号 p. 843-846

詳細
抄録
アルミナセラミックス製板状胸骨を直立歩行動物カニクイザルに置換埋入し, 有用性と安全性について検討した。とくに大きさと接合法について次の結果を得た。(1) 大型板状胸骨について, 非使用群は急性期に呼吸不全で死亡する。生存しても低肺機能で ,体重の増加は乏しい。使用群は胸郭の形態と機能が完全に保持され, 胸囲, 体重, 呼吸運動機能の発達も順調である。(2) 小型板状胸骨では使用群, 非使用群の2群に大差はなかった。(3) 重畳法, 単純縫合は早期に脱却し, 髄内挿入固定法のみが, 胸骨と長期に結合性が得られた。しかし接合部への応力集中により, 接合面に膠原線維の増生がみられる。以上により, 大型板状胸骨を髄内挿入固定すれば長期に安定で, 呼吸不全の回避に有用である。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top