人工臓器
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骨接合部にセラミックピンを用いたプラスティック製人工肋骨の移植実験
永井 勲東権 広久慈 敏信青野 幸治小野 仁志白石 成二樋野 正治木村 茂
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1985 年 14 巻 2 号 p. 839-842

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抄録
胸壁腫瘍その他で多数の肋骨を切除する場合があるが、この欠損部分を補填するために骨接合部にセラミックピンを用いたプラスティック製人工肋骨を試作した。まず犬を使用した実験において多数肋骨切除による呼吸機能の低下と、人工肋骨移植による呼吸機能の回復を示し、人工肋骨移植の必要性を強調した。次に4種類の骨接合ピンと2種類のプラスティック棒を用いて人工肋骨を作り犬に移植した後2週間で固定・接合状態を検討した。その結果接合ピンは残存肋骨髄腔に挿入できて、かつ太く、挿入部にクサビがあるものを長く挿入する場合が固定・接合が良好であることが判った。またプラスティック製の人工肋骨本体は、移植による周囲組織と異常反応等は肉眼的にはみられなかった。これらセラミックとプラスティックは組織学的には、長期移植で問題がないことが実証されていることから、ある期間移植し固定が良ければ臨床的に使用も可能と考えられる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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