抄録
遠心ポンプによる左心補助効果について検討した。心および全身の袖助効果については、雑種成犬を用いて左冠状動脈前下行枝を結紮した左心不全心に対し、50%および100%の左心バイパス時の血行動熊および心負荷の軽減および全身臓器の血流量について検討した。平均動脈圧は50%バイパス時に術前の1/2、100%バイパス時には定常流化し、右心拍出量は50%バイパス時に術前より3%、100%バイパス時に6%増加し, 腎血流量も右心拍出量に比例して増加したが、脳血流量は不変又はやや減少した。これは圧受容体の関与が示めされた。また慢性期の遠心ポンプの補助循環の効果を見るため、山羊を用いて検討したが、遠心ポンプによる無拍動流の影響は全く見られず、その効果は充分得られた。その結果遠心ポンプによる左心補助は有効であり、操作は簡単で安価なことを考慮すれば、左心補助人工心臓として応用可能であると結論した。