人工臓器
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新しい医用弾性接着剤:分子設計概念と基本特性
松田 武久富野 哲夫伊藤 哲雄山口 敏広山形 専岩田 博夫笹木 秀幹中島 伸之高野 久輝阿久津 哲造
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1986 年 15 巻 1 号 p. 174-177

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抄録
従来の医用瞬間接着剤 (シアノアクリレート) の速硬性を維持したまま, 弾性体を与える接着剤の分子設計の基本概念と基本的性質について報告した. 新しく開発された弾性接着剤 (プロトタイプ) は液状反応性ポリウレタンプレポリマーで, 親水性のポリオールの両末端がジイソシァネートでcappingされた構造を有する. 水と接触することにより炭酸ガスを放出しつつ高分子化する. 得られた硬化物は多孔質構造を有する弾性体である. 生体内では, 数分以内に拍動流ストレスに充分耐える力学的性質を示し, 心臓血管外科, 脳外科への応用の可能性が大きいことが示された.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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