人工臓器
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バイオリアクター用酵素含有マイクロカプセルの作製
渡部 智五十部 潤清水 慶彦田畑 泰彦筏 義人
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1986 年 15 巻 1 号 p. 243-246

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抄録
生体内における諸反応は, 酵素系を触媒として行なわれている。この観点より, 我々は, これまで, 高分子材料の表面に酵素を固定化し, 酵素反応を応用して表面性状に生理活性機能を付加した医用生体材料を開発し, また, その埋植実験を行ない組織内反応を検討してきた。今回は, 更に, 複合酵素系反応をバイオリアクター, 人工臓器として応用すべく, 酵素を含有したマイクロカプセルの開発を試みた。界面沈殿法により, 酵素ウレアーゼ, グルタミン酸デヒドロゲナーゼを含有したトリアセチルセルロース・マイクロカプセル(直径平均100μm)を作製した。更に, 補酵素NADPHの透過可能な或いはNADPHをも包括した酵素含有マイクロカプセルを作製中である。このようなマイクロカプセルの開発は, 人工細胞膜の開発, 即ち人工赤血球を初め, 細胞成分, オルガネラを含有し高度の細胞機能を保持した人工細胞の開発へと発展するものである。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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