抄録
従来の多孔質ハイドロキシアパタイトからmicroporeをなくし, 100~300μmのmacropore. を有するより強度を高めた材料から長さ2~3cmのTubeを作成し, 雑種成犬9頭の頸部気管輪を切除, 気管内挿入固定を試みた。Tubeの内面にPMMA系レジンを被覆した群にTubeと気管壁との接着が向上した。しかしアパタイトの剛管をそのまま人工気管として使用するには, Tubeの縫合固定の問題, 上皮化の遷延などから限界があると考えられた。アパタイトと他の材料の複合化によって, 気管軟骨に対しても良好な組織親和性を有するアパタイトの特性を活かした人工気管の開発が望れる。