人工臓器
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EPTFEパッチの臨床応用例の検討
松本 博志宮脇 富士夫井手 博文斉藤 寛文柳生 邦良田中 公啓田中 修松永 仁古田 直樹浅野 献一
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1986 年 15 巻 1 号 p. 326-329

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抄録
著者らは開発したEPTFE patchを1976年9月より1985年10月までにTF76例, ASD32例, ECD13例, TCRV10例, LA Myxoma 8例, TGA7例, DORV6例, PAPVRcASD5例, AS4例, PAPVR3例, TAPVR3例, TAcASD2例など総計179例に臨床応用した. 臨床応用症例は平均年令14才(0~68才)であった. 死亡は12例(6.7%)にみられたが, その多くは複雑心奇形に多く, patchそのものよりは手術時期を含めた手術適応に関係したものと考えられた. 中でも右室流出路, 左室流出路での使用では圧較差の解除は十分であった. 心房位, 心室位での使用を含めて長期遠隔成績でも血栓塞栓症の発生, 動脈瘤様の拡張, patchに起因する溶血などは認められず, 長期遠隔での死亡例はみていない. 開発したEPTFE patchはその成形性, 縫着を含めた操作性においても優れた補填材料と考えられ, 実地臨床での有用性が確認された.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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