人工臓器
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AAE, ARに対するPrefabricated-ringed composite graftによる手術
術前計測と臨床応用
遠藤 真弘土田 弘毅西田 博清野 隆吉福地 晋治橋本 明政小柳 仁
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1986 年 15 巻 1 号 p. 380-383

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抄録

従来, AAE, ARに対する手術法としてBentall法あるいはCabrol法がある。手術をより簡便化する方法としてShiley社より主軸人工血管とBjörk弁を一本化せるComposite graftの工夫がある。我々はさらに簡便化を目的に(1)主軸血管に人工弁を一体化する。(2)主軸血管の遠位側にRinged graftを一体化する。(3)冠動脈用側枝を主軸血管に一体化する。
術前に造影, CT, エコーを参考に人工弁のサイズ, 主軸血管のサイズ, 遠位部のRinged graftのサイズ, 全体の長さを計測した。
10例に臨床応用し, 1例を不整脈で失った以外は順調に経過し, 大動脈遮断時間は150分以下が9例, 120分以下が4例と比較的短時間にすみ, 術中出血は1000ml以下が8例, 800ml以下が5例と少なかった。術後造影を施行し得た例に吻合部Leakもなく良好な結果を得た。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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