人工臓器
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消化管出血における透析液を用いた持続胃冷却の効果とballoon catheterの開発
稲垣 豊天野 泉吉田 俊彦寺町 教詞
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1986 年 15 巻 1 号 p. 437-442

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抄録
透析患者に合併した上部大量消化管出血の9例を選び冷却した透析液を用いて持続胃冷却を行った。この内8例にdouble lumenのNG tubeを用いたが4例の十二指腸出血はいずれも完全止血効果が得られ1例のみ再発した。一方胃出血の4例の内完全止血は2例のみで, 全例に再発した。又胃出血においては3例にNG tubeの入れ換えを必要とし, 1例は大量のclotの為に続行が不可能となった。持続胃冷却は十二指腸出血には効果があるが, 胃出血においては出血巣付近のclotを洗い流す事がよくないと推察された。よって冷却とともに圧迫止血を行いclotをはがさない様にするsilicone rubber製の3 lumen, single balloon catheterを試作し, 1例の胃出血に臨床応用したところ著明な止血効果があった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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