1986 年 15 巻 1 号 p. 443-446
外科的切除不能な進行癌患者10例に対して完全埋め込み式vascular access daviceよりの制癌剤選択的大量投与, 副作用軽減のための活性炭によるDirect Hemoperfusion, RF波による局所温熱療法の併用を用い, その臨床効果について検討した。併用療法は10例に対して計14回施行された。抗腫瘍効果の判定は小山・斉藤班の基準に基き行い, PR5例, MR3例, NC1例, PD1例で奏効率80%であった。また腫瘍マーカーの減少が8例中7例(87.5%)に認められた。
implantable vascular access deviceを用いることにより制癌剤の選択的投与が容易となり, またMMC1.0mg/kg, ADM2.0mg/kgの大量投与にもかかわらず, 重篤な副作用が認められず, 活性炭による吸着療法が副作用の軽減に有効であったと考えられる。
今回, われわれの試みた併用療法は進行癌に対する有効な治療法の1つと考えられる。