抄録
体外―時使用の人工臓器としてIABPおよび各種補助循環, 補助心臓, 体内埋め込み型として人工弁をとりあげ, 外科治療の現場での感染との関係を検討した。
侵襲の少ないIABPは感染の関与がほとんどみられず, Blood accessの規模が大きくなってゆくにつれ補助循環法の合併症として感染が浮び上がってきた。Blood access及び情報accessの節減簡素化が臨床成績の向上に大切である。
置換弁心内膜炎はきわめて安定している人工弁置換患者の予後をおびやかす原因として血栓症と双壁である。機械弁よりは生体弁の方が発生頻度が高く, 起炎菌はNVEより重篤複雑なものが多い。とくに大動脈弁輪の感染はConotruncal partが各心腔の中心に位置することからきわめて重篤化し易く, 感染巣と人工臓器とを遠ざけるTranslocationなどの術式の工夫が必要である。