昭和56年以後の4年間にIABPを47例に使用したが, 8例においては経皮的挿入法を施行し, うち6例について刺入部位を外科的に観察した。6例のIABP施行期間は6時間から23日間であった。阻血症状あるいは血栓形成は半数の3例にみられたが, 外科的に挿入した39例は認められなかった。経皮的挿入法は緊急処置としては有効であるが合併症も多く, 早期に外科的に留置し直すか, 少なくともIABP離脱時にはFogarty catheterを用いて血栓除去術を施行すべきと考えられた。経皮的挿入法, 抜去法の安全な実施のためにはより優れたballoon catheterの開発と確実な抗凝固療法の施行, および手技の習熟が必要であると考えられた。