人工臓器
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経皮的IABP挿入例の検討―合併症と問題点
山田 眞渡辺 俊明横川 秀男井上 恒一舟波 誠山本 登高場 利博石井 淳一後藤 英道
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1986 年 15 巻 2 号 p. 525-528

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抄録

昭和56年以後の4年間にIABPを47例に使用したが, 8例においては経皮的挿入法を施行し, うち6例について刺入部位を外科的に観察した。6例のIABP施行期間は6時間から23日間であった。阻血症状あるいは血栓形成は半数の3例にみられたが, 外科的に挿入した39例は認められなかった。経皮的挿入法は緊急処置としては有効であるが合併症も多く, 早期に外科的に留置し直すか, 少なくともIABP離脱時にはFogarty catheterを用いて血栓除去術を施行すべきと考えられた。経皮的挿入法, 抜去法の安全な実施のためにはより優れたballoon catheterの開発と確実な抗凝固療法の施行, および手技の習熟が必要であると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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