人工臓器
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遠心ポンプ(Bio-pump)の血液成分に及ぼす影響
(Roller pumpとの比較検討)
古謝 景春国吉 幸男池村 冨士夫伊波 潔草場 昭島袋 正勝神里 隆豊田 義一
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1986 年 15 巻 2 号 p. 545-548

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抄録

Bio-PumpとRoller Pumpの両者間の血液成分に及ぼす影響を厳密に比較検討する目的で本実験を行なった。実験群を1群(対照群: 室温放置群), 2群(Bio-Pump群), 3群(Roller-Pump群)に大別し, 犬の25%希釈ヘパリン加血液を使用して, 2, 3群では4l/minの流量で6時間にわたってポンプを作動させ, 血液成分に与える影響を観察した。
血液遊離ヘモグロビンはいずれも経時的に有意に増加するが, 1, 2群ではその平均増加率は低く(1群1.88mg/dl/h, 2群1.85mg/dl/h), 両群間に有意差はない。3群の平均増加率は12.60mg/dl/hと, 前2群と比べて著明に増加した。LDHの変動も遊離ヘモグロビンとほぼ同様に増加し, 1, 2群と3群の間に有意差を認めた。トロンボキカンB2は経時的に漸増するが, 3群間に有意差はなく, 血小板数, ブイブリノーゲン, アンチトロンビンIIIは3群とも有意な変動を示さなかった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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