人工臓器
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各社CA膜透析器の特徴について
申 曽洙藤田 嘉一井上 聖士森 頴太郎稲垣 王子
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1986 年 15 巻 3 号 p. 1358-1361

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抄録

従来のCA膜透析器、CORDIS-DOWのC-DAK 3500と、新しいCA膜透析器、NIPROのFB-90T帝人のTF-E120、及びCuprophan膜透析器F-90GAの4透析器について比較すると、小分子量溶質クリアランスはCuprophan膜透析器、FB-90T、TF-E120、C-DAK3500の順に高く、大分子量溶質のSCは全くこの逆であった。15分白血球残存率はやはりCuprophan膜透析器で低かったが、CA膜透析器のうちでもFB-90Tで特に高かった。C-DAK3500はCuprophan膜透析器と全く異なった特徴的な透析器であり、TF-E120はこれに近い中間的なもので、FB-90Tは溶質除去特性がCuprophan膜透析器と非常に近いのに、Hemodialysis leukopeniaが最も軽微であった。C-DAK3500は水管理のし易い「楽な」透析器と思われたが、尿素、クレアチニン、燐の維持レベルが高かった。以上、それぞれの膜の特徴に見合った臨床的適応を考えるべきであろう。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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