人工臓器
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Anaerobic thresholdを用いた完全人工心臓制御様式の比較
下光 輝一四津 良平渡辺 孝森本 保筒井 達夫原崎 弘章C. JACOBS能勢 之彦
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1987 年 16 巻 1 号 p. 236-242

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抄録
多段階運動負荷試験において血中乳酸値の上昇から求められるAnaerobic threshold (AT)を用いて、Pusher-plate型完全人工心臓(TAH)の3の制御様式(IND: Independently ejecting ventricles, LMS: Left master synchronous beating, 及びLMA:Left master alternate beating)を比較した。2頭のTAH牛(206日及び282日生存)と1頭の対象牛が用いられた。血中乳酸値はTAH牛ではstage 4 (2mph)で、対象牛ではstage 7 (3.5mph)で上昇を開始した。TAH牛におけるATは対象牛におけるATよりも有意に低かった(6.9vs9.9ml/kg/min, P<0.01)。しかし5つの制御様式の間には循環動態及び代謝系のパラメーター及びATにおいて有意差を認めなかった。結論1) ATはTAHの制御様式を比較する為の有用かつ客観的指標である。2) 3mphまでの多段階運動負荷試験では3つの制御様式は同等である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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