抄録
酸素運搬能を持つ血漿増加量剤Perfluorochemical (PFC)乳剤は急性大量出血患者の緊急輸液剤として開発され、臨床に応用されようとしている。しかしPFC乳剤は体内に投与されたのち細網内皮系に一定期間蓄積され、マクロファージ(Mφ)に取りこまれMφのInterleukin-1産生能を抑制することにより免疫抑制作用を発現する。著者はこのPFC乳剤のうちFC-43を免疫抑制剤としてマウスの皮膚移植に応用し以下の成績を得た。1) 無処置マウスの生着日数は12.75±0.89日であった。2) FC-43投与群の生着日数は1725±1.04日で対照群に比し+4.50日生着日数が延長していた。3) Thy-mectomy施行群の生着日数は26.8±12.68日で対照群の約2倍に延長していた。4) Thymectomy+FC-43投与群の生着日数は37.2±3.11日で著明に延長していた。5) FC-43は選択的にMφ機能を抑制するので他の免疫抑制剤と併用しAdjuvant therapyとして移植における免疫抑制剤として応用可能であると考えられた。